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You Can Do It!

ナベシャツ・カバーボーイ File#006「雪斗」

梅雨だというのに、もう夏?っていうくらい日差しの強い夏の日、雪斗(ゆきと)さんは、まぶしそうな顔でアジアンドラッグの事務所を訪れてくれました。
なんと雪斗さんは、アジアンドラッグスタッフ「ウメ」とお友達だとのこと。
ちょっと友達モードの和やかな雰囲気の中今回のカバーボーイインタビュー開始です

―こんにちは~!

よろしくお願いします

―いつごろからトランスっていうことに気づきましたか?

自分は今20歳で今年21になるんですが…
はじめは中学生くらいの時、レズビアンかなと思って携帯のレズビアンサイトに行ってたんですよ。
そのあと、そこからトランス系の人のサイトに飛んで…あ、オレ、これじゃん!って思うようになったんです。

―雪斗さんは小さいときはどんなお子さんでしたか?

やっぱ男の子っぽかったですね。
ずっと、ボク、ボクっていってましたね。
その事実を、最近ビデオを見て気づいたんですが(笑)
男とか女とか分けられるのはいやでしたね。
男の子っぽかったですけど、スカートとかもはいていました。
親が洋服を作ってくれるタイプだったんで・・・作ってくれる以上は履かなきゃな!みたいな感じで。
遊ぶのも大体男の子とでしたね。

―辛かったこととかはありましたか?

小学校の時は転校ばっかりだったっていうのもあるんですけど、
声が低いとか、誰々が好きとかそういう恋話に入れなかったり、男っぽいというのもあって、いじめられたりしてたんです。
中学に入ると、男子が女子を見る目線が変わるじゃないですか。女子に対する目線が、異性を見る目になるんだけど、自分はそう見られないし、むしろ「見るな!」って感じになるわけですよね。なんていうんだろう~そういうタイプ!
そういうので、自分を殺しておとなしくしてたんですけど・・・でもそういうタイプって目をつけられやすいタイプなんですよね!
で、先輩とかに目をつけられてたりしてましたね。
高校にはいったら、もう自分は自分って開き直って、はっちゃけちゃったんですけど!
ずっと埼玉だったんですけど、高校の時、都内に住んでるトランスの人と知りあったんですよ。その人に連れられて、夜遊びとか、学校以外の世界も知ってきたんで、結構楽になりました。
あと、高校では、部活が結構楽しくてがんばってたんです。

―何部ですか?

演劇部です。

―演劇部だったの??知らなかったー!

そう、演劇部(笑)男役ばっかりやってましたね。
普通、演劇部っていうと、ちょっと地味なイメージあるじゃないですか!
けどうちは結構大会とかで頑張って明るい感じだったんですよ

―イケてる演劇部って感じだったんですね!

そう。なんで、結構かわいい子とかいて楽しかったですね。
ただ男子にはいろいろ思われていたみたいですね。
こっちも、男子に対しては、いろんな思いがあるんですよ。
劣等感・・・男になりたいのに男になれないっていう思いがあったので。

―初恋はいつですか?

保育園のときですね

―はやいっ!早熟ですね!

その恋は何事もなく終わりましたが(笑)
その後は、サイトで知り合ったり、まあクラブとか実生活でも知り合いましたけど…
今は彼女はいないです。

カムアウトについて

高校では仲のいい子にはカムアウトしていましたね。
高校2年の時だったかな?
キンパチ(※TBSドラマ3年B組金八先生第6シリーズ 性同一性障害を持つ主人公を上戸彩が演じ、話題になった。 (http://www.tbs.co.jp/kinpachi/series6/)やってたのって多分その頃だと思うんですけど…。だから、キンパチ、あれと一緒だよ!て言いました。
周りは「やっぱりね~」という感じでしたね。
男が好きっていう話には加わらないし、髪型もこんなツンツンだし、化粧もしないしで、みんなうすうす気づいていたようです。

―金八はやっぱり見ていましたか?

見てましたねー。上戸彩が好きだったので!

―そういう理由なんだ(笑)

母親には友達よりもっと早くカムアウトしましたね。

―それはどういうきっかけで・・・?

そのとき、ちょうどつきあってた子がいて、遠距離恋愛だったんですよ!
その子に会いに行きたくてお金貸してって頼む時に事情とかを全部話したんですよ。
その話の時、話してる時なんか自分泣いちゃって・・・。
でも母親は何で泣くの、泣くことじゃないよって言ってくれたんです。

―おぉ、なんか頼もしいお母さんですね!

多分母親も結構男っぽいというかさばさばしたタイプなんですよ。

―素敵なお母さんですね。

そうですね、家族の理解には恵まれていますね。

―高校卒業から今まではどんな風にすごされていましたか?

高校三年くらいに、それまで遊んでたトランスの知り合いの先輩と縁を切ろうと思ったんですよ。
その先輩は、キャバクラとかクラブとかに連れてってくれたり、その先輩のおかげで純男の友達も出来たりで、かなり影響を受けた人なんですが…
結構その人の友達が暴走族とか、ヤクザ関係だったりしたんです。
自分は先輩に服を買ってもらったり、食事もおごってもらっていたんですが、自分でお金を稼ごう!って思った時、こういうんじゃダメだなって思ったんです。それで、縁を切りました。
高校三年生の受験の前に、家庭学習の期間ってありますよね!?
あの時に、オナベバーで働きました。
2ヶ月くらいかな!?
実際思っていたよりは稼げなかった、っていうのと、同時期に彼女が出来ていたり、いろいろな事情がありまして(笑)やめてしまったんですが。
やっぱり自分が出せる仕事ってことでオナベバーでの仕事一度はやってみたかったし、今でも、またやってみようかなって思いますよ。
高校卒業の後は、美容室の見習いをちょっとやりましたが、これも1ヶ月でやめてしまいました。
その後、某大手和食ファーストフードにてバイトを始めて…もう2年になります。

―1ヶ月、1ヶ月ときたら、2年って長いですね!
ファーストフードの仕事がよっぽどあってたとか?

そうですね(笑)
というか、もうやめるのがイヤだったんですよ。
だからとにかく続けてやる!っという思いでやってきた感じです。

―そこでは、男性として働かれていますか?

そうですねー。面接の時に全部言いました。

―おお~どうやっていったんでしょうか?

性同一性障害のこととかを、履歴書に書いていったんですよ!そしたら、面接で、これは自分で書いたの?って言われて。
「そうです」って言ったら
「わかったけど、どうしてほしいの?」っていうことだったんで・・・
名前はクンづけで呼んでほしいとか、制服は男性の制服にしてほしいとか、全部自分の要望をいって、働くことになったんです。

―すごい理解のある会社ですね~○屋!

そうですねーで、入ってみたら、単に人が足りなくて誰でもいいから欲しい!っていう状態だったみたいで。
実際結構しんどいっす。
結構動く仕事なんですよ。
接客して、作って、出して、下げて、洗って・・・
夜10時~8時とかまでなんですけど、結構辛いっすね。
今は就職したいと思ってるんですが、今のとこでは社員にはなりたくない。
社員の扱いがけっこうひどい会社
社員とかも、辛すぎてやめる人が多いみたいです。
ボーナスとかは結構いいんですけどね。

―将来はどんなことをやりたいですか?

パパになりたいッ!

―パパ?なんでまた!

最近思ったんですよ、パパになりたいって。
もともと、子供が好きで、保育士になりたかったんですよね。
結局、保育士の道を目指したりはできなかったんですけど、
友達がシングルマザーで子供を生んだりとか、そういうのをみて、やっぱり子供かわいい!いいよなーって思います。
うちは、高校の時両親が離婚しているんですよ。
お父さんのことは好きではなかった。
そういう影響もあって、家族に憧れがあって、パパになりたいっていうのがあるのかもしれない。

―具体的にはどういう風に考えてる?

うーん。養子とか、いろいろ方法は考えてます。
職業的なところでは、そうですね~。塗装屋とか、あこがれてますね。

―なぜ塗装屋を?

やっぱり職人ってかっこいいじゃないですか。周りにもやってる人が多いんで…。ちょっと興味あります。でも、都内でバイトしたいな~っていう思いもあるし、まだわからないですね、将来のことは…。

―なるほど。次は性同一性障害関連のトピックについて伺いたいのですが…。

今はGIDの治療の方はされていますか?
カウンセリングだけ行っています。
まだ1回行っただけなんですけど!
千葉の某有名クリニックで受けています。
4回来たら、改名に必要な診断書がもらえるという話なんで、まあこれから始めるっていう感じですね。

改名の為に、家庭裁判所に直訴!

実は、病院にいく前に、一度、地元の家庭裁判所に行ったんですよ。
「名前、変えたいんですけどー」って感じで。
「来た理由」とかを書く申立書があるんだけど、そこに書いて…
その家裁は性同一性障害の改名例がたくさんあったところなので、こういうやつは、医師の診断書があった方がスムーズにできるよって教えてもらって、それでまずはカウンセリングっていうことになりました。

―すごい行動力ですね(驚)

あ、でもこれも友達から聞いて行ったんですよ。
オフ会で知り合った人がいて・・・もうその人はオレにとって恩人というか、すごい影響を受けた人なんですけど、改名も、手術とかも終わっちゃってる人なんですよ。
改名とか終わってる人に会ったのが始めて、免許証とか見せてもらったんですけど、すごくうらやましくなっちゃって。
そしたら今は、医者とか行ってなくても改名してるやつもいるから、本気で変えたいなら、家裁に行ってみれば?と言われて…それで行ったんですよね。病院もその人に紹介してもらいました。

―今は、肉体に対する治療(ホルモン治療・外科手術etc)などはされてますか?

全然していませんね。まだカウンセリングだけです。

―今後の治療はどんな風に進めていく予定でいらっしゃいますか?

とりあえず、ガイドラインに完全にこだわらないでやっていこうかなとも思っているんですが、ホルモンとかは打っていないですね。ホルモンをうちたいという思いはあるんですが、やっぱり副作用とかが怖いというのもあり、自己判断での投与には踏み切れませんね。
みんなは「別に大丈夫」っていいますし、打ってる人も多いですけど…、オレは実際、知り合いで…オナベバーで働いていた時の先輩なんですけど、ホルモンを打っていて体を壊した人がいるんですよ。
なんかいきなり具合悪くなって、どうしたのかって思ったら、注射打ち始めたっていうことで。それで、体力とか、免疫力が落ちたり…いろいろな菌に犯されたりしてるみたいなんですね。
その先輩に「こんな風になるんだから、お前は打つ前によく考えろ」って言われたんです。それがきっかけで、自由診療(いわゆる“闇”)に対して慎重になりましたね。

梅―でも雪斗は、声も低いし、胸も全然ないんだから、そんなに焦るコトないんじゃないの?

胸とか、今も何もしてませんよ!

―えっ!そうなんですか!?そうは見えない…。

なんで普段はナベシャツも着ていないんですけどね。
でもアジアンドラッグのナベシャツは昔っから知ってて人にも勧めてますよ。
(写真は、ターコイズブルーのナベシャツを重ね着している姿です!)

―あーありがとうございます。でも本当、雪斗さんの声や体は女性化した体で悩んでいるトランスの中では、かなり恵まれてる方ですよね。

そうですね…それでも、変えたい部分としては、やっぱり、生理はなくしたいですし、将来的には、胸を取りたい、戸籍を変えたいというのはあるんですけどね。
今一番生活しづらいのは「名前」の部分なんです。
だから自分はホルモンとかより、まず改名に動いたんですね。

―生活しづらいというと・・・?

どこいっても本人確認されるじゃないですか。
レンタルビデオのカード作る時でも、なんでも「ご本人ですか?」って言われる、そう思うともうそこで止まっちゃうんですよね。
一回携帯電話の手続きで、名前も住所も全部言ってるのに、本人ですか?ということが信じてもらえなくて、キレそうになったことありますよ!結局変えてもらいましたけどね。
早く診断書出て「雪斗」に変えたいですね。

―雪斗という名前、カッコイイですよね!いつごろから使っているんですか?

高校生くらいかな?

―結構長いですね!由来なんかはあるんですか?

当時つきあっていた子につけてもらいました。
そのとき、ゆうきっていう名前を使ってたんですけど、ゆうきだとちょっと女っぽいから、考えてあげるよ、って言われて。それで、本名を元に雪斗ってつけてもらったんです。
今では家族も雪斗って呼んでくれてます。
姉も“弟”って言ってくれてますし。
―最近アジアンドラッグで、掲示板などを見てますと、若い方がホルモンの具体的情報をすごく求めているな、そういう情報交換がネット中心に行われてるのを感じるんですよね。
そうですね、トランスの友達と集まると、そういう話ばっかりしてますよね!
ホルモンの情報とか、どこを変えたいとか…。

―若い子が闇でのホルモン治療というのは、批判的な考えなどいろいろありますが…

そうですね…オレはやりたければやれば?っていう考えです。
副作用とかについてはちゃんと知ってることが前提ですけど。
よく初心者が知ってる人に聞いて、「まずは自分で調べてください」っていわれたりしていますけど、調べるのも大事ですけど、本当の初心者だと調べ方すらわからなかったりするじゃないですか。
だからオレは自分の知ってることでよかったら教えたいし、友達とかで知ってる人がいたら聞いてあげるよっていうスタンスでなるべく知ってることは伝えていますね。

―なるほどー。
雪斗さんご自身では、将来的には、ホルモン療法→外科手術へと言うお気持ちはあるんですか?いわゆる、トランスセクシャルという自認は持ってらっしゃいますか?

うーん…。
そこらへんが今は…よくわからない。
とりあえず、胸はとりたいけど、下までは手術したいかどうかは、不明という感じ。
だからオレっていったい何なんだー?とも思いますよ。
オレは男だと思ってますが、トランスとかはわからない。
そういう話も最近よくするんですよね。
トランスの友達と。
俺たちはいったいなんなんだと。
トランスって言われるけど、でも結局トランスっていうか男なんじゃないの?って。

―なるほど…。自分で自分自身のことは「トランス」というより、「男」と自認したほうがしっくりくるという感じなのでしょうか。

―アジアンドラッグのナベシャツサイトをご覧になってくださっている皆さんにメッセージをお願いします!

うーん・・・
オレが思うのは、やっぱり情報交換って大事だと思うんですよ。
情報交換とか、交流とかが盛んになって、トランスの人の孤独感も減ったと思うし、悩んで自殺とかも減ってきたような期がするんですよね。
最近はインターネットとかで、そういう交流も簡単にできるようになってきたと思うし…。
そういうのを活用して、どんどん情報交換してほしいなと思います。
みんな、他人から、男とか女とか見られるのが悩んできたと思うんですけど、自分は自分で割りきってしまえば、結構楽になると思うんで、頑張ってほしいですね!

この記事への感想、雪斗さんへのメッセージを募集しております!
(メッセージはアジアンドラッグが責任をもって雪斗さんにお渡しいたします)
(雪斗さんはご多忙のため、直接お返事できないこともございます)
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