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You Can Do It!

ナベシャツ・カバーボーイ File#001「マコト」

カバーボーイ第一弾!「マコト」くん登場!!

マコトマコトくんは、北陸に住んでいる17歳の高校生。
小学生のころから違和感はあったが自分がFTMTSだと気づいたのは、14歳の時だという。

子供時代

マコトくんは自分のことをとにかく男勝りで可愛げのない子供だったと振り返る。
トイレは物心ついた頃からどうしても女子トイレに入ることが出来ず、登校してから下校まで我慢する6年間。
家に帰ると2才上の兄と兄の友達と当時流行っていたミニ四駆やバスケなどをして遊んでいた。
体育や宿泊の時、男女別に別れて行動する際、「自分はどうしてコッチ(女)のグループに入っているんだろう?」って生理が始まるまで納得できずにいた。

生理が来たのは6年生の春。

6年にもなると保健の時間に男女に分けられ生理の話を聞かされた。
なんだか居心地が悪くて、恥ずかしい気持ちになって耳を塞いで時間が過ぎるのを窓の外を見ながら過ごした。
生理が来てからオマエは女なんだよって事実をつきつけられた気がして凄く辛かった。

小学校の卒業式はスカート出席だった。
隣のクラスの友人までマコトくんのスカート姿の珍しさにカメラを持ってやってきたという。

イジメ、そして・・・

中学に入ってから一年間で履きたくなかったスカートにも随分慣れた。

マコトくんは友人の誘いでテニス部に入部した。
テニスというとあのヒラヒラで短いスコート。
嫌気がさし一度は断った。
しかし、入部体験でラケットを握らせてもらい、純粋にテニスの楽しさに惹かれ入部を決めた。
それからは部活中心の中学生活が始まった。

「二年になると好きな子が出来ました。

しかしその頃からクラスに戻ると俺は酷いイジメにあっていました。
事の始まりはクラスの男子に友達がイジメられている事を知り、俺が男子に注意したのが始まりでした。
俺は自分の正義に反する事は嫌だった。
見て見ぬフリをする都合のいい友達にはなりたくなかった。
それがきっかけでイジメのターゲットは俺になった。
休み時間は地獄でした。
机を離れると倒され筆箱はゴミ箱の中、給食はチョークがご飯に刺さっていました。
いつしか仲の良かった友達すら俺を避けるようになった。
一年間誰にも弱音を吐かずそのイジメにひたすら耐えました。
家で学校でのイジメを隠すように笑顔でいる事は本当に辛かった。

三年生になってバッテリーが突然切れたように俺はストレスから体を壊しました。
病院で過敏性大腸炎症候群との診断を受け医師にストレスになる事何かあったの?と訊ねられ初めてその場で親に学校でのイジメの事を告白しました。

それからの俺は学校に行かなくなりました。
家にも帰らず駅前のゲームセンターで毎晩歳も離れたおねぇさんやお兄さんと仲良くしていました。

イジメで汚物扱いのようにされ、信じていた友人にさえ見放された俺は人間不信になっていました。
しかしゲームセンターで出逢った名前も知らない人達は俺に優しかった。
決して非行に走ったわけじゃない。
髪を染めてピアスで耳も穴だらけだけど俺の心は学校にいたあの時よりも落ち着いていた。
それから卒業までそんな生活が続きました。
学校には行かなくなったけど俺は後悔していません。
イジメにあったことも今では懐かしいぐらいです。」

「今の俺がいるのは過去の出来事のおかげです」

カムアウト

マコトくんは市外の定時制の高校に入学した。
そこには私服で登校もでき、中退の人や20歳過ぎの人、いろいろな理由を抱えた人達がいた。
友達はすぐできた。けれど悩みは終わらなかった。

「いろいろな場面で体と心の不一致が俺を苦しめました。

女である事に一度二度諦めを感じたこともありました。
自分も周りの子のように彼氏なんてつくって、化粧をして可愛い服を着ていれば女の子になりきれるのでは...と考え実践してみましたが、それは自分の首を絞めているだけにすぎませんでした。

とうとう苦しくなって家族に今までの自分の苦しみを話そうと思いました。それが初カムのきっかけです。テレビで競艇の安藤さんのカムを知ってとても勇気付けられました。それが高校一年の冬です。母の反応は拒絶の二文字です。気持ち悪いと言われその場で頭を抱えて泣き崩れられました。でも俺は“本当の俺”をちゃんと知って欲しかった。男として生きる決意をした俺にとって家族へのカミングアウトは避けては通れぬ道だと思っていたから尚更引き下がる訳にもいかなかった。

母の反応は悪かったけど父親と兄貴は案外サッパリとした反応だった。
それから友達にもカムして今ではフルタイム男性生活です。
学校にも式辞の時は男子制服で参加しています。

親にカムしてからカウンセリングに通い始めるようになった。
親へのカムは学生と云う身分のマコトくんにとってカウンセリングへ行く為の大きな壁の一つでもあった。
現在で一年三ヶ月経過。
残念ながら北陸地区ではGIDに関する医療がまだまだ発展していないそうだ。
やっとの思いで精神科を見つけ自ら開拓する如くカウンセラーさんとの二人三脚が始まった。
カウンセラーさんはとてもいい人でGIDの講演会などにも自主的にプライベートで勉強しに行かれているそうだ。
現段階でマコトくんは来年の高校卒業後に向け改名の準備を進めている。
将来的にはホルモン注射、乳房除去手術・SRS・戸籍訂正まで希望している、とのこと。

家族には外科治療の意志も伝えてあります。そう簡単には進みません、時間もお金もかかります。
だけど俺は頑張ります!
自分がGIDかもしれないと疑問を抱きながらいろいろな経験をしてきました。
ひとつひとつ、本当の自分を確かめるように。
女として生きていたあの頃は生き地獄でした。
心は死んでいました。
みんなが知っている俺は仮面を被った偽りの自分。
カムしてからの俺は堂々としています。肩の荷がおりました。 友達は本当の俺を知っても変わる事なく優しい。

今年の誕生日、母からのプレゼントがトランクス5枚だった!
周囲の環境は良く俺を支え守ってくれる心優しい人々のおかげでとても居心地がいいです。



バイト経験

マコトくんはペンキ塗り、駅前などでのビラ(チラシ)配り、ウエイトレス、ゆうメイトなどさまざまなアルバイトを経験してきている。

中でもウエイトレスの仕事が一番印象的でした。
当時高校へ入学した年の春、その頃は本当の自分がまだわからなくて、周りの女友達を真似て化粧をして髪を縛って女の子になりきる為に意識していた頃の話です。
チェックのシャツに地味なスカートで働いていました。そこにはお年寄りが多く、ファミリーレストランと云うより居酒屋的な雰囲気の所です。
従業員の方も一番年が近くて30歳くらいの方でした。従業員、常連客の方々には大変可愛がられていたのですが、中には酔っ払ったお客に絡まれ胸を触や尻も触られたり、仕事中に口説かれたりなど、精神的に女として働くことに疲れ、たった2ヶ月程働いて辞めました。

それから半ば女として公の場に出たり意識される事に嫌悪を感じ、チラシ配りなど制服も無く人目に曝されない仕事をするようになりました。
チラシ配りの仕事はそういった点では性にあっているらしく長く続き、わずかな収入ですが満足していました
。でも出来れば堂々と男としてバリバリ活躍するような仕事をしてみたいですね。

今は学業に専念するためバイトはしていません。

将来の夢

進路は最近まで本当に迷っていました。
高校入学した当初から進路の事は常に気にしながらやってきました。
治療を優先したい気持ちは膨れ上がる一方です、しかし年を重ねるごとに(たった二年程ですが)それよりも大切なことに気がつきました。

それは精神面・金銭面の自立と、セクシュアリティーに縛られない事です。
今まで両親には多大な迷惑と心配をさせてきました。
カムした時に父親から言われた言葉が胸に残っています。

「逞しく、自分らしく生きろ。それができるならお前は俺より立派な男だ」と。

父親は優しく強い人です。俺が最も尊敬している人です。
俺のしたいと言う事をいつも必死で応援してくれます。 冬になれば二人でスノーボード、夏はバイクでツーリング。

母親は心配性で口うるさいですが、その分血の通った優しい人。

兄は大の仲良しで友達みたいな関係です。
俺とは正反対で成績優秀、誰からも頼りにされるタイプ、昔はそんな兄の事をコンプレックスとも思っていました。

祖母は一番長い間俺と一緒に居た人です。
中学の時不登校児だった俺を見捨てずいつも優しくてとっても可愛い人。
そんな大切な家族に「もう一人ででもやってけるよ」って自ら示して安心させてあげたいのです。現実派な俺は小さな頃から夢と呼べるものは何もありませんでした。希望としては人と関わる事が好きなので、自分の特性にあったそんな仕事に就けたらいいなと思っています。高校卒業後は県内の短大で社会福祉の勉強をしたいと思っています。卒業まで時間はたっぷりあるので進路は変わっていくかもしれませんが、納得のいくように今は将来に希望を持って勉学に励もうと思っています。

恋愛

マコト

そんなマコトくんに恋愛観と今までの恋愛経験を聞いてみた!

「初恋は小学校高学年の時です。
相手はクラスのアイドル的存在だった女の子でした。
表向きは明るく振舞っていましたが、本当は凄く内気な性格で好きになっても同じ輪の中にいて友達を挟んで会話を交わすだけで精一杯でした。
「自分は周りの子と違う?」と思うと誰にも打ち明ける事も出来ずにいました。

今まで付き合った人数は正直に言うと5人ぐらいです。
初めて付き合った人はビアンの人でした。
当時中学生だった俺は携帯の某サイトでその人と知り合い付き合うことになりました。
その人に自分の事を彼女扱いされた時に酷く不快に思ったのを覚えています。


数ヶ月ほど前に一年間付き合った彼女にフラれたんですよ。 その彼女は中学の時に好きだった人なんですけどね。
それからわりと早く彼女が出来たんですが、俺はまだその別れた彼女に未練があってすぐに別れちゃいました。
俺の歴史史上最強に熱い恋愛でしたから・・・。
その彼女と俺は中学の時の同級生で、付き合う前から俺達は仲良しでした。
彼女の家族の方々は同じクラスで昔からよく遊びにくる女友達って感じで俺の事を知っていました。
付き合ってからも変わらず俺が彼女の家に遊びに行っても(彼女は付き合った当初、俺がFTMだと云う事を母親に伝えていたらしい)以前と変わらず接してくださっていました。一方俺の家では家族全員、彼女の事を中学からの友達の○○ちゃんではなく、彼女の○○ちゃんとして理解していてくれました。

いつからか我が家の食卓には彼女専用の箸や茶碗が並び、夕飯を俺の家族と彼女が一緒に食べるのが当たり前になっていました。彼女が居心地が良くて俺の家族を好きだと言ってくれて嬉しく思っていました。

それまでは良かったのですが、ある日彼女の家に行って気づいたのです。
俺の家で彼女は彼女。
彼女の家では俺は娘の彼氏じゃなく、中学の同級生のままだと。
そうなるのは仕方が無いことだとわかっていたけど悔しく感じました。
俺の体がこんなのだから彼女の親の前、彼女の友達の前で堂々と彼氏でいられない事。
俺は彼氏として、恥ずかしい事など何一つとしてしていないのに、むしろ会った日は必ず雨が降ろうが家まで送り届けたり頑張っているのに・・・。彼女の周りの人達にただの過保護な友達だと思われているのが悔しかった。それは日に日に苛立ちと悲しみに変わり彼女の家に誘われても断るようになっていった。

それが原因で何度か彼女と大喧嘩になったけど喧嘩が解決しても状況は変わらなかった。
どうして俺がFTMだと云う事は言えて彼氏だと言えないのか。

「俺じゃ彼氏として認められないから?」

彼女の気持ちはわかる。俺が彼女の親にカムし、彼氏だと言う事を言えば良かったのかもしれない。

でも俺は彼女の口から伝えて欲しかった。

最終的に別れるまで彼女の親は俺と彼女が付き合っていた事はしらない。

彼女の気持ちを考えれば考えるほど、俺の意志は通せなくなっていった。
別れて今思い出してみたら学生同士の関係でわざわざ親にまで付き合っている事を報告する必要なんてなかったんだ。
大抵の学生カップルは親の目の届かない所で好き勝手やってるんだから。
でも俺は認めて欲しかったんだよね、俺の周りの環境が良すぎるあまりの高望み、俺は彼女の周りにも完全なる理想を押し付けていたのかもしれないな。
俺は本気で将来をその彼女と考えていたから、尚更ね。
彼女からの急な別れ話の時、俺が泣き喚いてもしっかりつき放してフってくれたからその描いていた未来は消えちゃったけど。 初めてだったんですよ、自分が好きになった人と付き合うことが出来たの。だからある意味最初から最後まで手探りの恋だったんです(笑)

その彼女とは今やっと落ち着いて友人関係に戻りましたが会ったらまた好きになりそうなので会わないことにしてるんですよ。
家が近いからたまに見かけるんですけどね。

今彼女はいません。」

好みのタイプは!?

「好みの女性像は、言い出したらキリがありませんよ(笑)
しいて言えば、俺を認めてくれる人かな?俺が好きになる人がタイプですね(笑)
どこかミステリアスな人に惹かれるのかもしれません。
自分の事を好いてくれる人はもちろん、
どんな人だろうと嬉しいですしね。
俺が恋愛の中で求めることは男対女と言う関係より、人間対人間の関係です。
リスペクトでき、お互いが向上していけるような関係がベストだと思います。友人の話では顔に似合わず恋愛に対して歳のわりに俺はお堅いタイプらしいです(汗)」

編集後記

家族のこと、イジメのこと、そして恋愛のこと・・・さまざまな経験を重ねてきたマコトくん。
中でも、家族のことを深く思っている気持ちが伝わってきました。
はじめは拒絶していたお母様が「トランクス」をプレゼントしてくれた・・・それは「ありのままのあなたを認めるよ」というメッセージだったのではないかと思いました。きっとそれはどんな高価なプレゼントよりもマコトくんにとってうれしかったのではないでしょうか!?

忙しいなか、丁寧にインタビューに答えてくださったマコトくん、どうもありがとうございましたm(__)m

この記事への感想、マコトくんへのメッセージを募集しております!
(メッセージはアジアンドラッグが責任をもってマコトくんにお渡しいたします)
(マコトくんはご多忙のため、直接お返事できないこともございます)
(なお、病院の紹介やお問い合わせには応じられませんのでご了承下さい)
なべしゃつ

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